こんにちは!
福岡の鍼灸院おるき、院長の小野です。
今日はお問い合わせをいただいて、一番困る内容についてお話します(汗)
脊柱菅狭窄症って治りますか?
痛みで困っている方、病院や整体、整骨院、鍼灸院など、色々な治療院を回っても症状が改善していかない、治らない方にとって、一番聞きたいことが『私の悩みって治りますか?』だと思います。
でも、この質問、実はほとんど意味がありません。
まず、当院などの鍼灸院や整骨院は、『病院』などの『医療』ではなく、『医業類似行為』と呼ばれる業務に法律上分類されていて、『患者さんに治る』ということ自体が法律違反になります。
ので、まともな治療院では『治る』という単語は絶対に使いません。
当院にお問い合わせをいただいた方は皆様御存知かと思いますが、『治りますか?』と聞かれた時には必ず返事を濁されます。
良くても、『そのお悩みでご来院された方、通院されている方もいらっしゃいますよ。』ぐらいしか言えません。
それに病院とは診る基準も違っていて、病院だと『レントゲン、MRIの画像診断上背骨の椎間板が狭くなっている状態であれば脊柱菅狭窄症』であり、この見た目の状態は鍼灸では変化のさせようもないので『痛みやしびれなどの症状はどうでもいいから、背骨に隙間を作って欲しい!』という方であれば鍼灸で改善を目指すのは不可能になります。
整形外科の医師に『鍼灸って効きますか?』と相談しても、『治らない』と答えられるでしょう。
しかし、『レントゲンの画像がどうであろうと、痛みや痺れなどの症状をなんとかして欲しい』だと、鍼灸はお役に立てる可能性があります。
東大病院の粕谷先生が脊柱菅狭窄症の諸症状に対する鍼灸の効果について論文として発表しているので、エビデンスもあるんですけどね・・・
ということで、『法律として治ると言えない』『治ると言えたとしても、治るの意味が整形外科と違う。
整形外科は画像上の問題が解決できるかどうか、鍼灸は症状が改善するかどうか。』の2点があるため、お返事がしにくい状態です。
それに、もし『治る』と言われたとして・・・この質問をされる方はこれまでの整体や治療院を信じて今の結果になってきたでしょう?信じられますか?
『営業トークで治るという先生』や、『治せてなくて患者さんが逃げちゃったのに来なくなったから治したと思っている先生』までいますから・・・ねぇ?
何回通ったら良いですか?
この質問もあまり意味がありません。
そもそも、お身体を診ていないのに今の状態がわかるわけないですしね。
さらに、『症状はなくなったけど、身体が元気な状態を維持したい!』という理由で元気になっても通院したい!という患者さんもいらっしゃるため通院回数=治るまでにかかった回数ではないのです。
前の鍼灸院では効果がなかったけれど、鍼灸って効くの?
これはたまに言われます。
じゃあ、なぜうちに電話してきたんですか?と聞きたいところですが、『鍼灸は特に流派が多くて治療方法も様々なので、以前のところとは方法が違うかもしれません。』とお答えするようにはしています。
セミナーで色々な治療家さんに教えていて思うのですが、症状を改善させるために必要なことはまず評価。
ここができていない先生が多すぎます。
お身体の状態をどれだけ正確にみることができるかがポイントになります。
道具がどんどん便利になっている現代においては、施術に関する技術力なんて、正直二の次です。
我々にとっては、患者さんが鍼灸、とか、整骨院、とか、どんなくくりの治療を受けてきたかではなく、誰の治療を受けてダメだったのかの方が判断しやすい部分がありますかね。
患者さんに伝えたいこと
初診の方全員にお話していることを書きます。
正直、医師も含めた我々『専門家』と呼ばれる人間は、『自分の知識と常識の範囲内で好き勝手しゃべる』のが仕事です。
その知識と常識の範囲に患者さんの身体が入っている時だけ、身体は元気になります。
もしその範囲からはみ出していたら治りません。
しかし、専門家は(小野も含めて)ほとんどの方が全てがそこで解決できるかのように話してしまいます。
ですので、初診の時は絶対に治療家を信じてはいけません。
信じて良いのは、1回目の治療を受けたあと、自分の身体がどう変化しているかわかった時、つまり、治療後に症状が少しでも改善していた時だけです。
ですので、『できるだけ多くの治療院を回るのは大事ですよ。』とは、お伝えしています。
当院はだいたい何件か回って、色んな治療をすでに経験済みの患者さんが多いので、皆様けっこう納得されます。
我々が電話で聞ける内容だけではお身体を判断できないため、治療が効くかどうかは実際に受けてみないとわかるはずがありません。
大事なのは、受けたあと、たった1回の施術でも身体に良い変化を感じられたかどうかであり、その1回の施術でこの人になら一生身体を任せても大丈夫と感じられるだけの信頼感を持てる治療をしてくれたかどうかだと思います。
患者さんにとっては厳しい話ですが、大切なお身体を預ける先生です。
電話で色々と聞きたい気持ちはわかりますが、電話でわかるのはせいぜい先生の人間性の部分です。
大切なのは今の症状を改善させることだと思います。
この記事は『結局聞けることないじゃない!』という結論にしかならない気もしますが、参考にしていただければ幸いです。
それでもなお、私の腰痛について電話で聞いてみたい!という方はしっかりお答えさせていただきます。
お気軽にお問い合わせくださいね。
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