こんにちは!
福岡市西区今宿前の鍼灸院おるき、院長の小野です。
今日の話題ですが、鍼灸治療はヘルニアに効果があるのか?という内容です。
そもそも、ヘルニアって?
そもそも、ヘルニアのイメージってどんなですか?
多くの方がイメージするのは、腰椎椎間板ヘルニア。腰痛や足のしびれ、神経症状などが特徴の整形外科疾患をイメージするのではないでしょうか?
それもヘルニアの一つですが、そもそものヘルニアは『脱出』という意味があります。
何らかの原因で周りの圧力に耐えきれなくなった臓器が、組織の柔らかいところから飛び出して(脱出して)いる状態のことを言います。
腰椎椎間板ヘルニアでは、腰椎の椎間板という組織の髄核が、その周りを固めている繊維輪から後方に飛び出している状態をヘルニアと呼んでいます。
これが頚椎で起こると頚椎椎間板ヘルニアとなります。胸椎のヘルニアはあまり聞きませんね。
しびれや痛みの症状は、この髄核が神経を圧迫していることから起こると考えられています。
そう。一般では!
しかし、解剖学的に考えると色々と無理が生じます。
鍼灸治療はヘルニアに効くのか?
ここで、このブログの議題である鍼灸治療はヘルニアに効果があるのか?について考えたいと思います。
当院では、2年間腰椎椎間板ヘルニアで苦しみ、手術も2回経験したという患者様が2回の施術で良くなった!という例や、20年間ほったらかしにしていた腰痛でヘルニアと診断されていたものが、治療を受けている間に気付いたら痛みがなくなっていた!という例があります。
では、ヘルニアの状態。つまり、脱出した髄核はもとの状態に戻ったのでしょうか?
答えはNoです。
当院の施術はその日の治療前後の状態を必ず確認する方法で行いますが、その日の中に2年も飛び出したままでいた髄核が元に戻るはずがありませんし、それが鍼の軽微な刺激で戻るなんて、どんなに常識外れの考え方をしてもあり得ません。
つまり、『ヘルニアという状態』には鍼灸治療は効果があるわけないという結論になります。
ヘルニアで困っている症状には効果がある
しかし、全国的に見てもヘルニアの症状に対して効果があった鍼灸治療の症例は報告されていますし、ヘルニアで困っている人はその痛みやしびれをなんとかしたくて色々と検索しているはずです。
そして、ヘルニアに鍼が良いと聞いたから、このブログにたどり着いたのではありませんか?
私の経験で恐縮ですが、大学病院で治療していた時も現在も、ヘルニアで手術するしかないと言われていた患者様の腰痛やしびれなどの症状がその場で改善したという症例はたくさんありますし、その状態を継続するために治療をしているとヘルニア自体が戻っていったという例はたくさんあります。
このことから、ヘルニアで椎間板が脱出している状態=困っている症状には結びつかないという結論に至ります。
そもそも、困っている人は
症状はともかく、飛び出した組織を戻したい
のですか?それとも、
飛び出した組織は気になるけど、困っている症状を何とかしたい
のですか?
もしあなたが、
症状は改善しなくても良いから、飛び出した組織を元の状態に戻したい!
のであれば、今日のブログはここまでです。
ぜひ、整形外科を受診して手術を受けてください!症状を抑えずにヘルニアを改善するにはそれしかありません。
しかし、あなたが
飛び出した組織は確かに気持ち悪いけど、とにかく症状をなんとか抑えたい
というのであれば、力になれるかもしれません。
ヘルニア自体は問題ではない
多くの鍼灸治療の例からも、実は解剖学的な見解からも、椎間板の脱出はそんなに問題ではないのです。
ヘルニアが起こる椎間板の高さでは、神経と椎間板の間に大きな空間があります。ちょっと椎間板が脱出した程度では空間を埋め尽くすことはできず、神経に触れたとしても神経は後方にまだまだスペースがあるため圧迫されることなく逃げることができます。
その空間を覆い尽くすほどのヘルニアが生じるにはかなりの量の椎間板の脱出が必要になりますが病院に行くと『ちょっとここの神経が飛び出しているかもしれないから、それが原因です』と言われることもしばしばです。
そして、鍼灸治療や他の徒手療法では脱出した椎間板が元に戻ることはありえませんが、治療後には症状が改善される現象が起こるということは、その椎間板が神経を押しているから症状の原因になっている理論は完全に間違っています。
まわりくどいですが、
鍼灸治療や他の徒手療法では脱出した椎間板が元に戻ることはありえない
=椎間板は飛び出したまま
→原因が取り除けていないのに症状は治まっている
=椎間板の飛び出しは原因ではなかった
となります。
では、ヘルニアの原因って何なのでしょう?
ヘルニアの症状の原因は?
当院では、ヘルニアの症状の原因は脊椎から伸びている筋肉の緊張と考えています。
鍼治療と聞くと良く、神経まで鍼を刺しているとか、神経に電気を流して血流を良くすると説明している先生がいますが当院で使っている鍼は0.3mmの長さのシールタイプの鍼や、身体には刺さらないタイプのプラスチックタイプの鍼を主として使用しています。
当然、ヘルニアの原因とされている神経まで届くはずもありません。皮膚まで伸びている末梢神経などには作用しますが、一般的に鍼治療のヘルニアに対する効果として考えられているようなことは不可能なのです。
にも関わらず、ヘルニアの症状が驚くほど良くなる人が後を絶ちません。
ということは、0.3mmの長さの鍼でも、身体に刺さっていなくても身体にはヘルニアの症状を改善するための反応が起こっていることになります。
それぞれの鍼にはまぁ、刺した時の身体の反応があるのですが、共通するのは筋肉のコリをほぐす作用があります。
背骨には、脊柱起立筋など、背骨の横を縦に走っている筋肉があります。
この筋肉が硬く強張ってくると、身体を動かすたびに椎間には垂直に圧力がかかります。この圧力が高まると脊柱管が飛び出してくる原因になったりするのだと考えています。
また、背中側の筋肉がこわばると背骨の後方から繋がっている筋肉が伸びにくい状態になるため、身体を曲げるたびに背骨には後方へのテンションがかかります。
このテンションがどうやらヘルニアの症状の原因になっているのだと考えられます。
当院でのヘルニアの治療
当院では、この背骨に垂直にかかる圧力と後方へのテンションを改善させるために背骨の前後のアライメントを改善するように施術しています。
これは背骨や骨格の歪みというものではなく、ちょっとした筋肉の緊張で重心の位置がずれていたり、動きづらくなっている筋肉が原因で関節の連動性が低下している状態があり、それを改善するために施術しています。
当院では、ヘルニアでご来院される患者様には必ずお伝えしていることがあります。
『鍼治療では、ヘルニアという組織が脱出している状態は良くならない。しかし、困っている症状はなんとかなるかもしれません。』
もし、あなたがヘルニアそのものの飛び出しが気になって仕方ないなら、当院では対応できません。
しかし、今、困っている症状を改善したい場合には力の限り施術させていただきますのでご相談ください。
当院では、院長が大学病院にスカウトされた際に病院長から『保険診療の範囲では治らない患者を良くしてくれ』と言われ、結果を出してきた治療をそのまま、あるいはさらに強化してお届けしています。
保険診療で改善するのが一番ですが、どこに行っても効果がイマイチわからないという方はぜひ、ご連絡ください。
今宿駅の目の前です。
福岡市西区今宿駅前1−3−28
今宿ホワイトマンション105
鍼灸院おるき
080-6457-6639
kokonioruki@gmail.com