こんにちは!
福岡の鍼灸院おるきの小野です。
株式会社スターパートナーズさんのご依頼を受け、『脳血管疾患に対する鍼灸の効果』と題して、福岡市中央区天神でお話をさせていただきました。
鍼灸の話を聞くのが初めての方向けに、鍼灸の歴史や適応疾患、実際に脳梗塞でリハビリをされている方の施術事例などを話しました。
鍼灸は日本での保険適応は「神経痛」「リウマチ」「頸肩腕症候群」「頚椎捻挫後遺症」「五十肩」「腰痛」と、かなり狭い範囲になっています。
当然、これらは鍼灸で対応できる疾患なのですが、世界保険機構(WHO)では43疾患も鍼灸の適応疾患があります。
WHOが設定している鍼灸の適応疾患には、当然、脳卒中後遺症など、脳梗塞リハビリステーションを訪れる患者様、利用者様が直面する疾患が存在します。
脳梗塞、脳出血などの脳血管障害後遺症は、運動機能障害や片麻痺、失語症、認知機能障害などが起こります。
脳卒中後遺症に対する鍼灸はこれらの障害を対象に動きを良くしたり、脳血流を増加させる効果を使って身体に働きかけます。
世界で有名な脳梗塞治療では、朱氏頭皮鍼、醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)の他、当院も採用している山元式新頭鍼療法(YNSA®︎)などがあります。
しかし、これらの鍼をしたからと言って、脳梗塞で動かなくなった身体が動き出すようになるかと言われるとそうではありません。
これらの鍼も『拘縮して固くなった筋肉をほぐす、緩めるといった働きを利用して身体を動きやすい状態にしてあげる』といった作用がメインになります。
動きやすい状態ができるので、その後リハビリを行うと効果的です。
通常、リハビリはリハビリに当てられた時間の中で身体をほぐし、動きやすい状態を作ってから残った時間で運動機能訓練などの機能回復訓練を行います。
しかし、鍼灸を行なった後には身体が動きやすい状態や、動かしても痛みが少ない状態ができていますので『ここまで身体を動かしたら痛くてリハビリができない』といった制限が少ない状態、あるいは全く無い状態でリハビリを行うことが可能になります。
一緒にリハビリに当たっている理学療法士さんや作業療法士さんから「リハビリの前に鍼灸があるとリハビリがしやすい」と喜んでもらっています。
毎週月曜日、天神の脳梗塞リハビリステーション福岡に来るようになって3ヶ月が経ちました。
かつて脳外科で外来リハビリに当たっていた経験を生かしながら、もう少し患者さんの役に立てるように腕を磨いていきたいと思っています。