脳梗塞と鍼灸治療

脳梗塞の鍼灸治療

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳卒中になってしまった方が鍼灸治療を受ける際、どの程度効果があるものなのでしょうか。

結論から言うと、脳梗塞後の片麻痺などに対して、鍼灸治療は一定の効果を発揮します。
私も福大病院に呼ばれる前は、脳外科で外来を担当しておりました。

鍼灸治療の効果が一般的に認識されていない分、どの程度効果があるのかであったり、どのような症状に効果があるのか、それが伝わっていないように感じます。
鍼灸治療を初めて受ける人にとって、今まで受けたことがない新しい治療法というのはとても期待が高まっています。

東洋医学の神秘の力、中国4000年の歴史、ツボの効果など、はっきりイメージできないものだからかもしれません。

今まで麻痺で動かなくなっていた手足が、はりを刺した直後に急に元どおりに動き始めるという奇跡のようなことを期待している方が、一定数いらっしゃいます。

しかし、残念ながらこれは間違いです。

鍼治療を受けたからといって、失われた脳の機能が元通りになるということはありません。

鍼灸治療でできることは、

  • 麻痺した手足が少し動きやすい状態にする。
  • 可動域を改善して、きつくてたまらない動きをきつくない状態に変えていく。
  • 筋肉の協調運動が失われていた時などに、少しだけ対応できるように改善する。
  • 痛みがある際には、痛みをとる。

などが、主な効果になります。

私も、2年間動かなかった足が、鍼治療を受けた日から動き始めて、最終的には介助は必要としたものの立てるようになるなどの症例は経験したことがありますが、多くの人が求めている病気になる前の元気な状態に戻すことは、なかなか難しいのが現状です。

では、鍼治療を受けても意味がないじゃないか!と、という方がいます。

価値観は人それぞれですが、意味がないわけではありません。

例えば、はり治療を受けた後にリハビリを受けると筋肉がほぐれ、痛みがなく、可動域が改善した状態でリハビリをスタートできます。

通常はリハビリを開始する前に理学療法士さんが筋肉を緩めたり、可動域を増やそうとしたり、本来の目的である機能回復訓練では無い作業を行わなければならなくなります。

時間をふんだんに使用できる自費のリハビリであればそれでも良いかもしれませんが、病院リハビリなど時間に制限がある状態では、機能回復訓練に入れないままリハビリが終わってしまうこともあります。

これでは、一番大切な回復期を無駄に過ごしてしまうことに他なりません。

また、頭皮に鍼をしたり、脳血流を促す施術を行うと、リハビリを3ヶ月継続した程度には脳血流が改善していたりします。

鍼灸師は医師以外では唯一、道具を使って人間の身体内部に自分の判断で施術ができる職種です。

身体を緩める方向への治療はとても得意です。

しかし、機能回復訓練は理学療法士さんや作業療法士さんには敵いません。

お互いの得意分野を生かして痛みや可動域の改善には鍼灸師が、機能回復訓練や日常生活での生活指導はリハビリの専門職が行うのが理想ではないでしょうか。

福岡・糸島で脳梗塞後の後遺症に悩まれている方、発症すぐから鍼灸治療を受けたい方、病院に行ってもなかなか改善が見られないという方は、当院にご相談くださいね。

鍼灸院おるき
福岡市西区今宿駅前1-3-28 今宿ホワイトマンション105

鍼灸院おるき天神訪問所
福岡市中央区天神3-3-7 天神応順ビル7階(脳梗塞リハビリステーション福岡内)

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当院のコンセプト

“大学病院で活躍した技術”をベースに、慰安的な施術や安易な電気治療ではなく、結果にこだわった治療を提供します。
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あなたの目標に合わせた最適な改善方法を提案し、’’先生がいるだけで安心’’と思っていただける治療院を目指します。

当院のモットー

“身体の可能性”を限界まで引き出し、痛みのない身体づくりに貢献します。
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無駄な手術をしたくない。もっとスポーツを続けたいなどのあなたの目標達成をサポートします。

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