良性発作性頭位めまい症と鍼灸治療②
良性発作性頭位めまい症には鍼灸治療が有効というお話は①で行ってきました。
過去の記事はこちら。
自律神経系に関わる症状の治療に良く選択される鍼灸治療ですが、今日は山元式新頭鍼療法(YNSA)とめまいのお話をします。
YNSAは宮崎の医師である山元敏勝先生によって考案された鍼灸治療法で、色んな症状に効果があります。
世界中で2万人以上の医師が治療に取り入れています。
福岡は本部が同じ九州ということで、非常に勉強しやすい環境にあるのですが、実際に行っている先生は多くありません。
YNSAでめまいを改善するためには、施術で頚部の緊張をどれだけ改善できるかがポイントになります。
頚部には姿勢を保持する筋肉が多く集まり、めまいに関わる脳の領域や前庭神経の働きに影響を受ける(または与える)筋肉が多く存在します。
YNSAは頭皮に鍼を数ミリ刺入することで反射を利用し、刺激領域に対応する筋肉の緊張を取ることができます。
この時に頚部の負担を出来るだけ上手く改善することができれば、頭に鍼をしている間のめまいが消失します。
頭皮に鍼を刺入したまま30分〜40分、時間を置くことで症状が安定し、鍼を抜いてもめまいが出ない状態を安定させることができます。
YNSAは習得が難しい治療法の一つです。
私自身、YNSAを勉強し始めた頃はなかなかうまく行きませんでした。
当時、糸島市内にある脳外科の外来で鍼治療を行っていたのですが、そこに来られるめまい患者さんにYNSAを行っても、なかなか改善に導けないということが続いていました。
YNSAは合谷(手の甲にあるツボの名前)、肘、首などの診断点の反応を見ながら、頭皮に鍼を刺すことで施術を行います。
この時、ただ何となく診断点の反応を改善するだけでは思うような改善に導くことができません。
私の場合、問診、他の身体所見を診て、症状と診断点の反応を理論的に結びつけて、初めて効果を安定して出せるようになりました。
YNSA初心者の頃はなかなか結果を出すのは難しかったのですが、YNSA自体は世界中で行われている有名で素晴らしい治療法であることは間違いありません。
良性発作性頭位めまい症の診断を受け、めまいで困っているという方はYNSAを受けてみるのはいかがでしょうか?
福岡、糸島でYNSAを行っている治療院をお探しの方は福岡市の鍼灸院おるきにご相談くださいね。