こんにちは!
福岡の鍼灸院おるきの小野です。
昨日、N○Kで腰痛が特集されていました。
○HKさんはけっこう、当院の患者様も見たりしていて、患者様から「先生、昨日のNH○見ました?」なんて聞かれることもあります。
そんな時、だいたい思う(答える)のが、「見ましたよ!多分、これから腰痛患者さんが増えます。」なのです。
現に、自粛期間中や自粛明けに多かった問い合わせが『腰痛』で、腰痛の経過を聞くと『座りっぱなしでちょっと腰が痛くなったので、Youtubeの腰痛体操をしていたんですが、だんだんひどくなってきて・・・』などだったりします。
自粛期間中は全国の整体院、整骨院やもちろん鍼灸院の先生方も腰痛体操を配信したりと活動されていて、それ自体は否定しないのですが、問題はメッセージが少なすぎることだと思っています。
『腰痛の人はこの体操をしてください!』というメッセージが多いのですが、腰痛にはいろいろなパターンがあります。
整形外科での診断は病態とレントゲンなどを参考にした病名付けが15%しか一致しないと明らかになっているので、(※. 松原崇紀, 平賀慎一郎, 肥田朋子. 非特異的腰痛の原因の検討−腰痛患者における疼痛動作と筋に対する理学療法効果の差異−. 愛知県理学療法学会誌. 26(2): 68-73. 2014)整形外科で言われた病名を守って体操をしたら85%の人は自分に合っていない体操をすることになります。
その結果、どうなるか・・・
『腰痛体操をしたら腰が痛くなって・・・』
という問い合わせが増えるのです。
基本的に、我々治療家は、これまでに勉強や臨床で学んだ知識をもとに、その知識の範囲内で患者さんに好き勝手喋ります。
患者さんの状態がその範囲に収まっていれば治りますし、収まっていなければまぐれでしか治りません。
しかし、厚生労働省委託事業 公益財団法人日本医療機能評価機構 Minds ガイドラインライブラリを見るとわかるのですが、腰痛診療のガイドラインで腰痛が治るという治療法は出てこないのです。
つまり、教科書で学ぶ知識では治る方法がほとんどなく、また、知識習得を教科書のみで行っている先生ではほとんどの腰痛を治せないというのが現実です。
昨日は脊柱管狭窄症のことや、それを改善するための体操が語られていました。
リハビリでよく行われている体操が紹介されていましたが、腰痛診療のガイドラインによると、脊柱管狭窄症に対してのリハビリの効果は、腰痛関連QOLの上昇であり、痛みスコアに関しては改善が認められていません。
結論は伏せますが、まぁ、そういうことです。
ちなみに、当院の患者様には必ず最初にお伝えしていますが、まず、医師含め治療家の言うことを信じてはいけません。
我々は知識の範囲内でしかお話ができませんので、施術をやってみて治療が効いた場合に、結果論として「こういう原因で腰痛になっていたんだね。」とお話することはできますが、施術の前に原因を特定することは困難です。(仮説しか立てられません。)
その上で、お悩みの改善には内容×回数×自宅ケアの掛け算が必要になります。
内容(=治療効果)が0なら・・・?
いくら通ってもお金と時間と、症状が悪化しているでしょうから人生とを捨てることになります。
まずは患者さん自身が自分に合った内容を選択しなければいけません。
参考までにお伝えしているのが、当院の基準でしたら、1回目の治療を受けてみて『こんなに身体が軽くなるんだ!』や、『こんなに症状が変わるんだったら信じても良いかもしれない』という感動があれば、それは治療内容が合っている可能性が高く、回数を重ねれば良くなる見込みがあります。
逆に、『なんか効いたような気がするけど、治療を受ける前と比べてあんまり変化がないなぁ。』という程度だったら回数を重ねても無駄でしょう。
テレビの話に戻りますが、テレビは実際にあなたを診て、あなたの身体に合わせた提案をしているものではありません。
今回はあくまで、ガイドラインに沿った内容での体操の提案のように見受けられました。
願わくば、信じて無理をして、腰痛が取り返しのつかないレベルに悪化する方がおりませんよう願うのみです。
※テレビも、無理はせず痛みが出たら即中止と言っていました。
体操内容を、信じる信じないは別にして、そこだけはしっかり守ってくださいね。
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