こんにちは!福岡市の鍼灸院おるきの小野です。
最近よく思うのが、治療家として横のつながりも大切なんだな〜って思う。
例えば、患者さんにダイレクトにあるメリットは、難しい症状を改善するためにアドバイスをもらえることもあるし、近所で自分より上手な先生がいたら紹介することだってできる。
うちの院は美容鍼はやっていないから、例えば美容鍼の問い合わせがあったら別の院を紹介したり、その方のニーズや好みに合わせて紹介することができる。
その代わり、痛みのケアや脳梗塞リハビリ中で、もっと短期間で改善するためにリハビリ効率を高めたいっていう方の治療は紹介を受ける立場にある。
昨日も、企業の中に入ってマッサージをしている先生から患者さんの紹介をしてもらった。
この先生は、僕が主催している勉強会にも参加してくださる熱心な先生で向上心も強い。
患者さんの話からとても上手だし、信頼されているのが伝わってきて、僕も嬉しくなった。
紹介されてやってきた方はご夫婦でやってきた。
福岡市西区在住。
肩が痛いという患者さんと、首が痛いという患者さん。
ご主人は肩の痛み。
ジムでトレーニングをしていたけれど、腕立て伏せ(プッシュアップ)で痛みが出て、今までできていた自重トレーニングが難しくなった。
奥様は首の痛み。
ストレートネックと言われていて、決まった枕じゃないと起きた時に首が固まっちゃう。
今回はその枕を選択したらふわふわになっちゃって、合う枕がこの世に存在しなくなってしまった。
眠れないのはとてもきついよね。
治療していくうちに、奥様はM-Testで必要なアイデアとYNSAで必要なアイデアを合わせた方法が一番効果的ってわかった。
頭皮にも筋肉があって、帽状腱膜っていう薄い膜状の筋肉が頭蓋骨を覆っている。
今僕は、YNSA学会で一番セミナーを担当している冨田先生っていう方と共同で関節ごとの細かい動きとYNSAの治療ポイントのマッピングっていう研究をやっているんだけれど、奥様の症状はこのポイントがとても良く効く。
奥様は交通事故でムチウチになったことがあって、その時に背骨全体が緊張しやすい状態になっちゃったみたいなんだ。
交通事故で強い衝撃が身体に入ると、筋肉は骨を守ったり支えたりするために緊張する。
身体の防御反応としての緊張なんだけど、骨に問題がなくなっても緊張が抜けなかったら今度は身体を動かす度に関節に負荷がかかっちゃう。
僕は、ムチウチの現象をこう考えていて、防御反応の後遺症ってイメージなんだよね。
背骨の柔軟性が落ちるので、首や腰なんかの比較的可動域の大きい関節には負荷がかかりやすくなっちゃうんだ。
こういう人は、筋紡錘への刺激を繰り返す必要があって、今回は職場に信頼できるマッサージの先生がいるから、僕は信頼して治療点を伝えるだけで、奥様は今後、首の痛みや腰の痛みに悩まされることはないって確信できるんだ。
ご主人もそう。
昔野球をやっていたんだけれど、話を良く聞いていると野球肘で手術をしたことがあった。
自分の肩を触れないほど可動域制限があって、当然ねじる動作も曲げる動作も制限があった。
肘の可動域が悪くなると肩は肘が動かない分、負担を引き受けることになる。
本来動かなきゃいけない可動域を超えた負荷が肩に集中しているから、当然無理がいくし、痛みの原因になってしまう。
こういうケースは、肩が痛いからと言って肩に治療を集中してしまうと、肩自体の可動域が増える分、負担を引き受ける幅が広がっちゃって余計痛くなったり、治療が長引いたりしてしまう。
手の三里っていう五十肩や肩こりの治療には有名なツボがあるんだけれど、ここが効くのは肘に問題があるケースがほとんどだね。
ともあれ、お二人とも帰りには自重でのプッシュアップもできるし、首をぐるぐる回しても痛みがない状態でお帰りいただけた。
後のケアは、信頼できるマッサージの先生がいるから安心だしね。
ちょっと前まで、僕は横のつながりは考えず、自分の技術を磨くことばっかり考えていたけれど、反省だね。
地域の先生と結びつくことでお互いの良さを引き出すことができるし、新しい治療法を考え出すことだってできる。
近くに良い先生がいる場合には紹介することだって、逆に紹介を受けることだってできるんだ。
これからはもっと地域密着するために、患者さんのためだけじゃなく、今回みたいに困っている治療家の先生の頼れる近所の鍼灸院として、とりあえず福岡市と糸島市中心にしっかり頑張っていこうと思う。