湿布や風邪薬が保険適用外に〜腰痛患者に痛手!?〜
今朝のニュースで、『湿布や風邪薬など、ドラッグストアでも購入可能な薬が適応外になる』というニュースをやっていました。
今年の8月に、健康保険組合連合会が『市販薬で対応できるものは保険適用外にしよう』とする案を発表したことの続報です。
病院で処方される湿布薬などの痛み止め、風邪薬、花粉症の薬などが対象になっているようですが、なぜこんなことになっているのでしょう?
この理由は、医療費の財源確保を目的とした高齢社会対策だと思います。
現在、日本は国民皆保険制度により、ほとんどの方が医療を安く受けることができます。
その結果、2018年度の国民医療費は42兆6,000億円。
2018年度の国家予算が97兆7,128億円だったので、国家予算の43パーセントが医療費であったことがわかります。
また、医療費は年々増加傾向にあるので、2025年には80兆円を上回ると言われています。
このまま医療費が増加すると、当然、国の財政は破綻します。
そうなると、今回のニュースで取り上げられているような国民皆保険制度の維持はどうなるのか?どころではなくなります。
医療の現場にずっと居た身からすれば、いまさら感がある話題です。
今、整形外科に通っている患者さんの口から、『湿布がないと困る。』という声が挙がっていると簡単に想像ができます。
しかし、整形外科に通っている患者さんたち(例えば、腰痛や膝痛などの身体の痛みで通院している患者さんたち)は本当に困るのでしょうか?
整形外科に通院している患者さんの割合で1番多いのが腰痛患者さんです。
日本人の80%以上が生涯の中で1度は腰痛になると言われてており、整形外科患者さんの内訳でも、腰痛が最も多いです。
腰痛の内容は、腰痛症、脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、座骨神経痛など様々ですが、これらの腰痛を全部ひっくるめて腰痛とします。
整形外科を訪れた腰痛患者さんは、腰痛診療のガイドラインに則って治療が行われます。
日本整形外科学会、日本腰痛学会が設定したガイドラインによると、治療のファーストチョイスは湿布薬、ロキソニンなどの痛み止めを含めた非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)ですが、これらの薬は、同ガイドラインによるとプラセボ(薬に見せかけた偽物の薬。中身は砂糖や小麦粉など薬効成分のないもの。思い込み効果と、薬効成分がある薬との効果の比較に使われます。)と、効果を比較して、効果に差がないとされています。
実際に、医療が保険でまかなわれていない海外のガイドラインなどでは、NSAIDsの効果は限定的で、副作用のリスクを考えると使用するメリットがほとんどないため、使用を推奨しない、あるいは禁止とされているところがあります。
つまり、腰痛で困っていても、『湿布を貼っても治らない』という医学的な根拠があるのです。
腰痛で困っている人は腰痛が治ればいいわけですから、腰痛に対して砂糖程度の効果しかないと明らかになっている湿布薬がなくなっても、何も困ることがないはずです。
腰痛を改善させたい場合は、鍼灸治療もそうですが、カイロプラクティック、整体、マッサージなどの、腕の良い先生にかかるか、自分の腰痛に合ったストレッチ、太極拳、ヨガなどの強張った筋肉をしっかり緩め、腰痛の原因となっているからだへの負担を取り除けるようなケアをすることが大切です。
福岡市、糸島市で腰痛にお困りの方は福岡市西区の、鍼灸院おるきにご相談ください。
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