半月板損傷
半月板の役割
半月板は膝の内側、外側に存在し、共に関節にかかる圧力を分散し摩擦を減らす役割を持っています。
線維軟骨の平たい湾曲したパッドを形成しており、その形が三日月状になっていることから半月板と呼ばれています。
(外側はほぼ円形)
軟部組織に分類され、関節を支える靭帯と密着しているため、単独でスポーツなどでは靭帯と同時に損傷が起こることもあります。
また、スポーツ以外ではいつの間にか減少していたりしていることから、生活習慣や体重、加齢、遺伝性の原因を疑われていますが、実際に半月板が損傷する原因は不明とされており、明らかにはなっていません。
半月板損傷の症状
半月板損傷発症後の症状は膝関節のクッションがなくなっていることから、膝の痛みが出現します。
関節の負担をへらすクッションがなくなるため、階段や歩行時に痛みが出たり、膝を曲げた際に筋肉などの繊維を巻き込み、インピンジメントを引き起こします。
また、関節の隙間が無くなるため可動域が減少してきます。
正座ができなくなったり、あぐらをかく際に痛みが出るようになります。
半月板損傷の治療
西洋医学で取られる治療は、主に痛み止め、生活習慣指導などです。
病院で『体重を減らしなさい』とか、『運動をしなさい』とか言われたことはないでしょうか?
日本整形外科学会が定めているガイドラインによると、内服薬、生活指導、リハビリ、関節注射などが治療として挙げられています。
ひどくなってくると手術療法も選択されますが、手術療法は
半月板切除術をした患者の97%で変形性膝関節症の進行が認められる
という記述にある通り再び痛みが出現したり、クッションがないために骨に直接負担がかかり、骨の変形が進行したりすることからあまり推奨されていません。
関節注射はヒアルロン酸よりもステロイド注射の方が効果が高くリスクが低いため海外ではステロイド注が選択されます。
鍼灸院おるきでの半月板損傷の治療
鍼灸院おるきでは、半月板損傷に対しては関節に隙間を作ること、関節患部の血流を増やすことを目的に治療を行います。
関節を形成する骨に付着する筋肉が硬くこわばってくると、筋収縮が起きた際の関節面にかかる負担が増えてしまいます。
そうなると通常、階段では歩行の7倍の圧力がかかりますが、この圧力が10倍にも20倍にもなりかねません。
また、軟骨が再生しようとしてもこの圧力を取り除けていないと、再生したそばから軟骨がすり減ってしまいます。
半月板損傷の治療で最も重要なのは関節面の除圧、次に軟部組織の血流増加が必要です。
鍼灸院おるきの治療成果は
当院でサポートしている患者様では、例えばシニアのバドミントン選手権で日本ランキングに入っている選手がいます。
彼女は、半月板を痛めたままですがずっと現役でプレイができています。
94歳で亡くなったお婆さんは、亡くなる半年前まで一人で温泉旅行に行っていましたが、治療をする前は要支援の認定を受けており、一人で自宅のお風呂にも入ることができませんでした。
最近の例だと、10m歩くだけで膝が痛くてうずくまっていた方が2ヶ月の治療でここまで歩けるようになり、
今では元気にハイキングに行っています。
まとめ
膝のクッションの役割を持っている半月板を損傷すると、膝の痛み、可動域の減少などの症状が現れます。
階段の上り下り、歩行などで痛みが出現し、日常生活が困難になります。
病院などの西洋医学では痛み止めなどの内服薬から始まり、生活習慣指導、リハビリ、関節内注射、手術療法などの選択肢があります。
しかし、手術をした患者の97%で変形性膝関節症が進行するというデータがガイドラインに掲載されており、手術をしたのに膝が痛いという患者が後を絶ちません。
鍼灸院おるきでは関節内の除圧と血流の増加を促す治療を行っています。
結果は個人差はあるものの比較的良好で、状態次第では正座も可能になります。
筆者情報
小野修司
鍼灸師・スポーツ健康科学修士
鍼灸師の免許取得後、技術と知識の研鑽のために福岡大学大学院に入学。
鍼博士として有名な向野義人医師・医学博士の指導を受ける。
スポーツ医学を学びながら関節運動の研究を行い修士号を取得。
大学院に通いながらも地域の病院での臨床やアスリートのケアを精力的に行い臨床経験を積んだ。
福岡大学病院東洋医学診療部に鍼灸師として初めて入職を果たし外来診療も担当。
その後、培った技術を大学病院以外でも活かすため福岡市西区今宿に鍼灸院おるきを開院。
1年後、福岡市中央区唐人町に鍼灸院おるき唐人町治療院を開院。
現在に至る。