こんにちは!
福岡の鍼灸院おるき、院長の小野です。
今日は提携施設の脳梗塞リハビリステーション福岡(天神)からブログをお届けしています。
小野は大学院時代、京都大学の森谷敏夫教授と出会って以降、筋電気刺激(Electrical Muscle Stimulation=EMS)にハマっていて、院内にもSIXPADが一式揃っていたり、レンタルを行ったりして治療や健康管理の一貫として使っています。
この記事でEMSの効果や勧める理由、どういう方に使って欲しいかなどについて書いていこうと思います。
EMSの効果
まず、EMSの効果ですが、ネット検索すると『EMS 効果なし』とかとってもネガティブな予測変換が出てきます。
そして、内容を見てみると『EMSだけで痩せるか検討してみた』とか『整骨院でEMSの回数券を80,000円前後で購入した』という内容が目立ちます。
世間のイメージは『EMS=痩せるためのダイエットグッズ』なんでしょうね。
確かにCM効果で、EMS=ダイエットが有名になってきています。
ただ、医学的な論文に目を通すとEMSはダイエットグッズとしてではなく、あくまで『運動弱者のためのトレーニングマシン』として研究・開発が進んでいることがわかります。
医学的なEMSの効果は
- 筋肥大(筋力UP)
- 遅筋より速筋繊維のトレーニング
の2つに絞られて検証されていることが多く、内臓脂肪の燃焼やダイエットは筋力アップによる副産物であることが多いです。
大阪大学や京都大学の医学部でもいくつかEMSについての論文があります。
『EMS=ダイエット』になっているのは美容メーカーさんの営業戦略なんでしょうね。
ちなみに、筋肉がついて代謝が上がるので、ちゃんとある程度の食事管理やEMSでトレーニングを行うタイミングを考えたら、しっかり痩せます。
が、EMSの主な効果はやはり筋力アップなので、食事をある程度コントロールしなければそんなに痩せません。
EMS=効果なしは、EMSだけでダイエットをやってみようと頑張った人が思ったより痩せなかったこと、ダイエットのコースは軒並み高額のため腹いせにネットに書き込んだことが原因かと思います。
EMSをお勧めする理由
次に、EMSを患者さんにお勧めする理由です。
EMSの良いところは、
- 自分の癖や意思と関係なく筋肉を動かすことができる
- 速筋繊維を鍛えることができる
- 周波数によって鍛える場所(深さ)を変えることができる
- 使い方によっては筋肉がほぐれる
などがあります。
挙げるときりがないほど挙げられるのですが、これぐらいにしておきます。
まず、勝手に筋肉を使って鍛えてくれるので、運動が苦手な人やオフィスワーク中でもトレーニングをすることができます。
糖尿病や高コレステロール血症の方は運動をしなければいけない方が多いですが、総じて運動が苦手な方が多いです。
食後にEMSを使うことによって血糖値や血中コレステロール値を下げることができるので、非常にオススメです。
小野もよくブログを書きながらEMSを使っていますが、終わった後はじっとり汗をかいています。
次に、速筋線維を鍛えることができます。
筋肉は、瞬発的な動きを行うための速筋線維と持久的な動きを行うための遅筋繊維があります。特徴は以下の通りです。
つきやすさ・おちやすさ | 割合 | |
速筋線維 | つきやすく落ちやすい | 加齢とともに割合が減少 |
遅筋線維 | つきにくく落ちにくい | 加齢とともに割合が増加 |
速筋線維はつきやすいし落ちやすいですが、瞬発的な動きを行うために必要です。しかし、年齢を重ねていくとその割合が減少し、筋トレを行っても速筋線維がつきづらくなっていきます。
年齢を重ねると素早い動きができなくなっていきますが、これは速筋線維の割合が減り、素早い動きやとっさの時に動ける筋肉がいなくなっているためです。
しかし、素早い動きは生きていく上であった方が良いです。
速筋線維があれば、躓いた時にとっさに足が出たり、アスリートであればパフォーマンスの低下を防ぐことができます。
筋トレではつかない速筋線維を中心に鍛えることできるので、30代以上の方は実はEMSを行わない理由がないほど、トレーニングに適しています。
また、周波数によって電気の届く深さが変わってきます。
低周波は表面にある大きい筋肉を、高周波は深い部分にある体幹の筋肉を鍛えることができます。
ただ、EMSにも弱点があって、ただ筋肉が収縮するEMSでは、筋肉は電気にすぐに慣れてしまって筋トレ効果が出ません。
効果を実証されているものを使うのがおすすめです。
そして、使い方次第で筋肉をほぐすことができます。
病院などにある低周波治療器などは、このブログを読んでくださっている皆様は受けた経験があると思いますが、原理はそれと同じです。
筋肉の収縮を強く起こさせるとトレーニングになり、弱い電圧だとリラクゼーションになります。
痛みの治療などに効果的に使うことができますし、ここが当院が導入している一番のポイントです。
EMSを使って欲しい人
EMSをオススメする方は、糖尿病、高コレステロール血症、高脂血症など生活習慣病患者さん、その予備軍の方、サルコペニアやロコモーティブシンドロームの診断を受けている高齢で筋力が落ちている方、アスリートや運動愛好家、脊柱菅狭窄症や変形性股関節症、変形性膝関節症など腰痛系、関節痛系疾患を患っている方です。
糖尿病、高コレステロール血症、高脂血症などの生活習慣病、サルコペニアやロコモーティブシンドロームなど廃用症候群は単純に、エビデンスが存在します。
当院患者様でも、車椅子生活から独歩に戻った方までいるので、生活の質の向上や生活習慣病予防、介護予防に役立ちます。
アスリートの方は、どうしても瞬発系の動きは必要になりますし、加齢による衰えをなくすことが出来ます。
最後、脊柱菅狭窄症や変形性関節症の方ですが、関節周りで筋肉の拘縮が起こっていることが多く、拘縮を改善することで症状が緩和されたり改善することがあります。
整形外科疾患を患っている患者さんはEMSを使うには注意が必要ですが、効果的に使っていくことで、より効果を出すことが可能かと思われます。
EMSを有効に使うことで様々な健康管理に役立てることができます。
『運動ってやらなきゃいけないってわかってるけど、なかなかやらんよな〜。』と思っている方、是非試してみてください。
EMSで健康の悩みと向き合いたいと思っている方は鍼灸院おるきにご相談ください。
福岡の鍼灸院おるき
福岡市西区今宿駅前1-3-28 今宿ホワイトマンション105
提携施設 脳梗塞リハビリステーション福岡
福岡市中央区天神3-3-7 天神応順ビル7階
ご予約、お問い合わせはどちらも
080-6457-6639まで